今から2000年以上も前に発明されて以来、私たちの生活のあらゆる場面に浸透した必要不可欠な素材、「紙」。情報の記録や意思伝達をはじめ、ものを包む、液体を拭う、光をとおす・・・など、その機能と役割は枚挙にいとまがありません。「紙」の幅広い活躍は、しなやかで応用しやすい性質や特長によるものですが、そこには人間が与えた何らかの操作や社会の中での機能が伴っています。「紙」になるまでも「紙」となってからも、人とのかかわりなしには存在しない素材なのです。
本展ではそのような「紙」「紙製品」に注目し、独自の表現へと昇華させた現代アーティストをご紹介します。彼らの作品は「紙の上に」ではなく、「紙とともに」アイデアを視覚化したものと言えます。誰にとっても馴染みのある「紙」をとおして、本展のアーティストたちが投げかける問いは、私たちを取り巻く世界や価値観を様々な角度から照らし出してくれることでしょう。
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